伊豆高原に住んでいるからわかること
伊豆高原は都心からの移住に向いている?
メリットとデメリット
移住したい、または二拠点で生活したい。リモートワークも進み、住む場所も以前と比べ選びやすい世の中になりました。筆者の住むここ伊豆高原も移住者が多い場所。いつか田舎に移住したい、「自由な田舎暮らし」に憧れるものの、都会暮らしの便利さも捨てがたく、どこに住もうか迷っている人も多いはず。
伊豆高原は山も、温泉もあり、高原と名前はついていますが、意外と海も近い。
自然が身近にありながら、都心から楽に日帰りができるため、移住だけでなく、二拠点生活にも選ばれやすい、「都心に近い、ほどよい田舎」です。
一方で、実際に暮らすとなると、車があった方が断然便利だったり、温暖なイメージを持つ方が多いものの、冬はしっかり寒さを感じます。場所によっては雪も降ります。
中古住宅や古い別荘を購入する場合は、修繕費や断熱・耐震に関しても見逃せません。
伊豆高原に実際に暮らしている私たちだからこそわかる、移住前に知っておきたいメリット・デメリット、そして失敗や後悔の事例。
伊豆高原での暮らしと住まい選びのリアルをお伝えします。

伊豆高原への移住のメリット
それでも、やっぱり都会は便利!
東京や横浜に時々は行きたい
「自然が多い場所で暮らしたいけど、やっぱり時々は都会に行って買い物したり、美術館に行ったりしたい」
実は、筆者がまさにこういうタイプ。伊豆高原から東京は日帰りができる距離。
日常暮らすのは自然のある静かなところがいいけど、都会の空気も時には必要という方にとって、都心に日帰りで行けることは、安心材料の一つです。
伊豆高原はいぬ高原!?
愛犬との自由な暮らしを満喫したい
伊豆高原は、ワンちゃんと暮らしたい方や、ドッグランにできる庭付きの中古住宅を探している愛犬家にも人気のある地域。「いぬ高原」と表現されるくらい、犬に優しい場所です。
愛犬のために移住をしたいという方には理想の場所。
お庭をドッグランにしてお家時間を充実させるのはもちろんのこと、犬と一緒に食事を楽しんだり、お散歩したりする場所が多く、そのため、犬を飼っている方が多いため、気の合う犬仲間も作りやすい地域です。
地元密着?それとも程よく距離がある方がいい?
住むエリアで自分に合ったコミュニティー
伊豆高原は住むエリアによって関わりたいコミュニティーの人間関係の濃さが違うという面白い特徴があります。
順番に回ってくる役員や、地域の活動に疲れて移住してくる方もいらっしゃいます。
反対に、お祭りなど地域に深く関わりたいという方ももちろんいらっしゃいます。
伊豆高原と一言で言っても、別荘地エリアと元々の地域コミュニティーがあるエリアとでは雰囲気も違うため、どんな関わり方がしたいか、どんな人間関係を求めているかで選択することができます。
とにかく自然を眺めていたい!
海も山も身近に感じる
伊豆高原への移住を考える方にとって、海・山・森・温泉が比較的近い範囲にあることは、大きな魅力のひとつです。自然が多い移住先は他にもありますが、これだけ多様な自然環境を日常の距離で感じられることは、伊豆高原の暮らしならでは。
また、伊豆半島は伊豆半島ユネスコ世界ジオパークに認定されており、火山活動によってつくられた地形や景観、温泉、海岸線が地域の魅力につながっています。
海が近い、山が近い、というだけでなく、その自然の背景にある土地の成り立ちにも心が向く方。日々の暮らしの中で、季節の変化や自然環境を感じながら過ごしたい方にとって、伊豆高原は相性の良い地域だと思います。
田舎暮らしのド定番
畑やガーデニングをしたい
伊豆高原は、庭のある家や、比較的ゆとりのある敷地の中古住宅も多く、畑やガーデニングを楽しみたい方にも向いている地域。自宅の庭で花やハーブを育てたり、家庭菜園を楽しんだりすることはもちろん、地域によっては畑を借りて野菜づくりをすることもできます。
また、オープンガーデンが行われるなど、庭づくりを楽しむ方も多くいらっしゃいます。ガーデニングや野菜づくりを通じて、地域の方や同じ趣味を持つ方と情報交換ができるのも、この地域ならではの魅力です。
土に触れながら暮らしたい方、自分の庭を少しずつ育てていきたい方にとって、伊豆高原での暮らしは楽しみの多いものになると思います。
【伊豆高原移住のデメリット】

伊豆高原への移住のデメリット
・車がないと不便を感じる場合がある
・バスや電車の本数が少ない
・坂道が多い
・虫嫌いの人には辛い
・冬が予想以上に寒い
・大病院が近くにない
田舎に移住するとき、伊豆高原に限らず「こんなはずじゃなかった」と思うところも出てきます。
暮らしの考え方をガラッと転換させることで解決できることもあれば、そうではないものもある。
都会では家を出る時間は、なんとなくで済みますが、田舎ではそうはいきません。目的地に着く時間を意識してあらかじめ決め、来る電車やバスの時間に合わせて家を出るというふうに変えることが必要です。
また、虫嫌いの方は結構多いと思います。
建物に隙間があると、当然入ってきてしまうので、建物の性能は大事です。
そして、網戸の目の大きさなどを見直すことでだいぶ変わります。
また、伊豆高原に大病院が近くにないというのは、変えようのない事実です。
このことをどう捉えるかですが、大病院の近くに暮らすことが最優先事項という方は伊豆高原暮らしや、田舎暮らしをもともと選択しない方ではないかと思います。
おでかけ同様、買い物も「思いついてちょっとコンビニ」から計画的にするというふうにライフスタイルの変更も必要です。
デメリットも裏を返せばメリットになったり、解決する方法などがそれぞれあるのではないかと思います。

【伊豆高原移住であった失敗と後悔から学ぶこと】
事例1:伊豆って暖かい地域じゃなかったの?
リタイア後、都会を離れ自然の中で暮らしたいと思い描いていたご夫婦。
リフォーム済み物件でお手頃な値段の物件を見つけて購入。
冬が来て、エアコンをつけても足元が冷え、どこからか隙間風も感じる。
娘たちが孫を連れて遊びに来てくれると思ったのに、冬は寒すぎるし、夏は暑すぎると、孫たちの長期休みに遊びに来てくれず、思い描いていた暮らしにならないばかりか、自分たちも寒すぎる、暑すぎる家に辛さを感じている。
✅物件を選ぶ前に建物の断熱をしっかりチェック
中古物件を選ぶときに、起こりやすい失敗と後悔のひとつです。
どうしても、「すぐ住める」「安い」「見た目も綺麗、水回り設備が新しい」そこに、「伊豆は暖かいよね」という思い込みが重なって、無断熱の家を買ってしまう。
「リフォーム済み」と見た時は、どんな工事がなされたか、しっかりと確認することをお勧めしています。
築◯◯年の建物を表面だけきれいにしても築◯◯年のままです。
建物の性能は日々の生活に直結します。
健康的で心地よい暮らしのため、見た目の前に、建物の性能に着目した家選びをお勧めします。
事例2:ご近所づきあいはそれほどないと思ったのに・・・
住宅密集地で暮らしてきて、近所の目を気にせずに暮らしたいと、伊豆高原に移住を決意したご家族。物件を探していると、住所に出てくるエリア名が同じだったため、どこも同じような別荘地の雰囲気だと思って購入した。
しかし、そこは、ご近所付き合いが濃いエリアだと引っ越して初めて気がついた。
「人との距離をとって、周りに気を使いすぎずに暮らしたかったのに」と、少しずつ気疲れを感じるようになってしまった。
✅伊豆高原ならではの、住むエリアで選べる距離感
伊豆高原だけではないと思いますが、エリアによって、雰囲気や人間関係、地域コミュニティーのあり方は違います。
人とのつながりを心強く感じる方もいれば、ほどよい距離感で静かに暮らしたい方もいます。
どちらが良い悪いではなく、自分たちがどんな暮らしをしたいか、どんな人との距離感を求めているかを、家探しの段階で考えておくことが大切です。
物件そのものだけでなく、地域の様子も含めて確認することで、自分にフィットしたエリアが見つかりやすくなると思います。
事例3:はじめはなんとか暮らせていたが、数年で・・・
移住したいと思って物件探しをし、きれいな割にお手頃感のある金額の家を買い引っ越した。
暑かったり、寒かったりしてはいたが、エアコンやストーブでなんとか暮らしていた。
でも、数年経って、なんとなく床がぷかぷかしたり、床下で配管が劣化によって水漏れを起こしたりと修繕箇所がたびたび出て来るようになり、お手頃の物件を購入できたことから一転、修繕費用が大きくかかる物件になってしまった。
✅物件を選ぶ前に建物診断をしておく
どんなに見た目が綺麗になっていても、どんなに設備が新しくなっていても、表面だけのリフォームでは建物自体の寿命は延びません。一度暮らし始めてしまうと、またあらためて荷物を片付けて修繕工事をするというのは、とても大変なことですし、場合によっては暮らしながら直すのが困難だったり、とても不便になることがあります。
購入時の費用はもちろん大きな問題ですが、暮らしそのものの質、そして暮らしてからの修繕の可能性もしっかりと考慮することが大切です。
事例4:中古住宅を買ってから、希望のリノベーションが難しいとわかった
気に入った中古住宅を見つけて購入。
「ここを広いLDKにしたい」「窓を大きくしたい」「この壁をなくしたい」など、暮らしを想像しながらリノベーションの計画も考えていた。
ところが、購入後に詳しく相談してみると、法的な制限や構造上の問題、建物の劣化状況などから、思い描いていた通りには進められないことがわかった。
「買う前にわかっていたら、物件の選び方や予算の考え方が変わっていたかもしれない」と感じた。
✅物件を探す前に任せられる人、相談できる人を探そう
中古住宅を見ていると、「ここをこんなふうに直したい」「この間取りを変えたい」と、暮らしのイメージが広がります。
でも、その希望が本当にその建物で叶えられるかどうかは、見た目だけでは判断しにくいものです。構造、劣化状況、法的な制限、断熱や耐震の状態によって、できること・難しいこと・思った以上に費用がかかることがあります。
不動産会社は物件探しや取引の専門家です。
一方で、建築士は「その建物でどんな暮らしが実現できるか」を、建物の状態や工事の可能性から考える専門家です。
どちらが良い悪いではなく、役割が違います。
だからこそ、中古住宅を購入してリノベーションしたいと考えている方は、物件を決め購入する前に一度、建築士に「この家で思い描く暮らしができそうか」を相談してみることをおすすめします。
購入前の「実現したい暮らしができるか」の確認が安心につながります。

理想の田舎暮らしを手に入れるために
自分なりの「移住チェックリスト」を作ってみよう
移住は、住む場所が変わるだけでなく、日々の時間の使い方、人との距離感、自然との関わり方も変わります。
だからこそ、じっくりと時間をかけて、「どんな暮らしがしたいのか」、そして実は重要なのは、「どんな暮らしはしたくないのか」。ご家族でしっかり話し合い、共有しておくことが大切。
伊豆高原で中古住宅や古い別荘、古民家のような趣のある建物を購入して暮らす場合、エリア選びだけでなく、建物の状態や断熱・耐震性能も暮らしの心地よさに大きく関わります。
話し合い、移住のためのチェックリストを作ってから物件探しを行うとそれだけでもかなり後々楽になってくるはず。


